クローン病の食事療法のポイント
クローン病の方も潰瘍性大腸炎と同じく、低脂肪・低残渣のお食事です。
栄養療法って必要なの?
クローン病は腸がやけどを起こして熱が出ているような状態です。
そんな時には、腸を休ませて、しっかりと栄養を摂ることが必要です。
腸を休ませながら栄養を摂るためには、食事を控え、既に消化分解されている栄養剤を使います。
腸を休ませることによりクローン病の症状は改善することが報告されています。
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小腸が悪い状態の時は、摂取した食事が十分消化・吸収ができなくなっています。
良くなった腸の状態を長く維持するためには、
食事の半分を栄養剤にして、腸管の負担を軽くすることで、
クローン病の再燃を抑えることが報告されています。

活動期の食事
成分栄養剤を摂取しましょう
医師が処方するエレンタールは消化をほとんど必要としない成分で構成された低残渣・易吸収性の高カロリー栄養剤です。処方された場合にはエレンタールを優先的に摂取し、不足分のエネルギーを消化の良いもので補うようにしましょう。

コーヒー、青りんご、オレンジ、パイナップル、梅、トマト、コンソメなどのフレーバーがあります。専用のゼリーミックスを用いてゼリーにするのもおすすめです。

適切なエネルギーを摂取しましょう
炎症がある時には腸粘膜の修復にエネルギーが必要になります。
症状に合わせて、エレンタールを組み合わせ、適切なエネルギーを補給するようにしましょう。

脂肪分の多い食事は控えましょう
脂肪は腸を刺激します。下痢を助長させることがあるため控えましょう。
脂肪分にも種類があります。バランス良く摂取しましょう。
- n-3系脂肪酸:魚、えごま油、亜麻仁油
- n-6系脂肪酸:マーガリン、マヨネーズ、大豆油
- n-9系脂肪酸:オリーブ油、米油
刺激物は控えましょう
香辛料などの刺激物やコーヒー、アルコール類、炭酸飲料、冷たすぎる物は腸を刺激し下痢を誘発させることがあるため、控えましょう。
残渣の少ない食事にしましょう
食物繊維の摂り過ぎは腸を刺激し腹痛や下痢を悪化させることがあります。狭窄がある場合には腸閉塞の原因にもなります。摂り過ぎには注意しましょう。
寛解期の食事
症状の悪化・再燃を予防するため、脂肪の摂取を30g程度に抑えましょう。
ただし、寛解期の場合には必ずしもそこまで制限はないとも言われています。主治医に相談してください。