人口構成の顕著な高齢化により、さまざまな障害によって通院困難となった方々への継続診療の必要性が高まっています。また、最後の療養場所として自宅を希望される方が、高齢者のみならず予後不良な疾患を持つ人々にも多くなってきました。
こうした社会背景から生じる現代的在宅医療は、「地域包括ケア時代の在宅医療」「多職種協調(水平統合)となるべく在宅時々入院(垂直統合)」が求められていると判断しています。こうしたニーズにお応えするために、当院でできることは何かを検討いたしました結果、地域包括ケア病床の積極的な運用と24時間対応の訪問診療を本年7月から開始いたしました。
地域包括ケア病床は、①急性期病状が安定した患者さんに対して、引き続き治療やリハビリを行い、安心して退院・在宅復帰していただく。②「なるべく在宅時々入院」の時々入院する先として対応してまいります。また、消化器疾患のみならず運動器疾患・脳神経疾患・循環器疾患・呼吸器疾患など消化器疾患以外の方に、在宅療養支援病院として在宅復帰・施設入所等をバックアップいたします。
病院であるため医師数は多く、切れ目なく訪問診療が可能です。住み慣れた地域で安心して療養生活が送られるよう、24時間365日対応可能な体制を整えました。必要時には緊急訪問(往診)に伺ったり、必要に応じて入院の手配を行うなど臨機応変に対応させていただきます。
地域の皆様にとって少しでもお役に立てるよう努力してまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
訪問診療の際に、私自身が最も重要と考えていることは、患者さん及び家族の方に寄り添う事です。長い間医者をしてまいりまして、ただただ疾患の治療を最優先していた若いころには全くわからなかった患者さん・ご家族の方々にとって重要なことがあることに気が付くようになりました。
近接性といっても、これは地理的に近いという事のみではなく、経済的にも精神的にも患者さん・家族の方々に寄り添う必要があります。このためには、協調性をもって社会的医療資源を上手に活用できるよう、多職種の方との連携を進めるとともに、医学的知識のみならず医療保険・介護保険の内容にも精通しなければなりません。その上で、責任性をもって質の担保された医療を提供し、患者さん・ご家族に十分な説明を行い、患者さん・ご家族の納得のいく在宅医療を受けて頂くようにしたいと考えています。
プライマリ・ケア※に必要な5つの理念を下記に示しておきます。
プライマリ・ケア※の5つの理念
山下病院 片山 信
※プライマリ・ケア・・・「身近にあって、何でも相談にのってくれる総合的な医療」
時間 | 月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | 日曜日 | 祝祭日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
午前 8:30~12:30 | 小倉医師 | 片山医師 | 小倉医師 | 片山医師 | 当番医 | |||
午後 12:30~17:30 | 小倉医師 | 片山医師 | 小倉医師 | 片山医師 | ※ | 当番医 | ||
夜間 17:30~8:30 | 当番医 |
※金曜日 | 第1週、3週、5週 | →小倉医師 |
第2週、4週 | →片山医師 |
お一人での通院が難しいなど下記状況の患者さんが対象です。訪問診療・在宅医療の対象となるケースは様々ですので、ご不明点がございましたらお気軽にご相談ください。
ご家族の方からのご相談、また病院の地域医療連携室や担当のケアマネージャー、訪問看護ステーション等を通じてのご相談も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
対応担当者 / 看護師:伊藤・片山
受付時間 / 8:30~17:30(月曜日~金曜日) 8:30~12:30(土曜日)
※最初に患者支援センター担当看護師または事務担当者が対応させていただきます。お住まいのご住所や病状などをお伺いし、今後の診療までの流れをご説明させていただきます。
ご相談にて予定した日時に初回訪問診療でお伺いします。患者さんの診察を行い、今後の診療方針、定期訪問予定のご相談をしながら決めて行きます。また、患者さんの調子が悪くなった場合や、緊急時の連絡先など連絡方法その他についてもご説明をさせていただきます。当院の訪問診療に十分ご理解・ご納得いただけましたらお申込み下さい。
お申込み時は、在宅療養を希望されている方に関する情報提供をお願いしております。ご協力よろしくお願いします。
定期訪問診療として原則月2回程度訪問させていただき、診療を行います。
必要に応じて処置・処方・点滴・検査などを行います。療養についてのアドバイスやお悩み事についてもお気軽にご相談いただく事が可能です。病状が不安定な場合など、週1回以上の往診もご相談のうえ対応いたします。
訪問診療を続けていくうちに、在宅での療養が難しくなったり、ご家族など介護者のレスパイト(一時的な休息)のために入院が必要になる場合があります。当院では、最適な時期スムーズに入院をサポートします。急性期的な治療が必要となった場合も、当院にて処置が可能です。しかし、当院で対応できない処置・対応が必要な場合は、総合病院へ受診や入院の手配をさせていただきます。また、急に病態が悪化し、救急治療が必要な場合には、救急病院への搬送の手配をさせていただきます。
診察の際、お薬が必要な患者さんには院外処方せんを発行いたします。院外処方せんは、お近くの調剤薬局にお持ちいただければお薬と引き換えることができます。薬局に行かれるのが困難な場合、薬剤師さんにお薬を届けてもらうこと(有料)や郵送等も可能ですので、お気軽にご相談ください。
その他ご不明点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
当院より10km以内の方が対象となります。主に一宮市中心部から、稲沢市・江南市・岩倉市・北名古屋市等を対象に訪問診療を行わせていただきます。
訪問診療では各種医療保険が適用されます。
自己負担額が1割の高齢者の方で月2回訪問診療をさせていただいた場合、標準自己負担費用は月7,000円が目安です。注射などの医療処置、各種検査を行った場合や、予定外の往診があった場合などでは標準負担額に加算されますが、これらを含め1ヶ月の負担上限額が月18,000円を超えることはありません。
負担割合 | 月額費用 | 自己負担上限額 |
---|---|---|
1割負担(住民税非課税) | 約7,000円 | 8,000円 |
1割負担(一般所得者) | 約7,000円 | 18,000円 |
2割負担(一般所得者) | 約14,000円 | 18,000円 |
◎ご注意
負担割合 | 月額費用 |
---|---|
1割負担 | 約600円 |
2割負担 | 約1,200円 |
3割負担 | 約1,800円 |
※居宅療養管理指導・・・「ケアマネージャーさんが居宅療養計画書を作成するために必要な情報提供を行ったり、患者さんが介護サービスを利用する上での留意点や介護方法について指導や助言を行うこと」
高齢者施設入所の際、訪問診療医をお探しの場合も当院にて対応できますのでご相談ください。
また、居住系施設関係者の方へ、訪問診療医をお探しの場合もご相談下さい。
下記の連携介護保険施設にて療養を行っている患者さんの急変等に対応しています。
対応担当者 / 看護師:伊藤・片山
受付時間 / 8:30~17:30(月曜日~金曜日) 8:30~12:30(土曜日)